2012年12月17日月曜日

愛らしくも哀しげな「こけし」の秘密

本日紹介するのは「こけし」、観光地のお土産屋にはかならず置いてあった「こけし」です。
最近では、わが家も含め、飾っている家もめっきり少なくなっていますが、わたしの子供の頃は、友達の家に遊び行くと必ずと言ってよいほど箪笥の上などに飾ってありました。
そんな衰退してしまった「こけし」ですが最近では女性のあいだで可愛らしい表情に癒し効果があるのか再ブームの兆しがあり、「こけし」の専門誌まで発行されているようです。

今日紹介する本は、そんな「こけし」の専門誌ではございません。可愛らしい「こけし」の隠された秘密を題材のした「こけし発生の謎 ―闇の中の間引き供養考」です。
この本は「こけし」の原型が江戸時代、飢饉に苦しむ人々が子供を育てることができなくなり、生まれた子供を間引いたことから、その親が子供を偲んで作られた人形ではないのだろうかという説を検証していきます。

「こけし」のイメージが東北であり、こけしがおんなの子を模した人形であることから、NHKのテレビドラマ「おしん」の厳しい農家の状況を思い出します。

それではこちらをご覧ください。


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2012年12月11日火曜日

「新版 チェブラーシュカとなかまたち」について

本日紹介するのは「新版 チェブラーシュカとなかまたち」です。
この本を初めて見た時、「チェブラーシュカ?チェブラーシカでしょ」なんで名称が統一されていないのか気になりました。
調べてみると、チェブラーシカは1967年、エドワルド・N・ウスペンスキーさんが発表した児童文学で、このころは権利の帰属が整理されておらず、複数の権利元がいたようです。
そのため、権利の処理が難しくなってしまうため、映画なども含めた制作がなかなか進まない状況だったそうです。
そのような問題を解決するため、2006年、それらの複数の権利保持者たちと契約し、ひとつの組織として運営する「チェブラーシカ・プロジェクト」が設立され現在に至っているようです。

これで疑問が解けました。この本「チェブラーシュカとなかまたち」はもともと1976年に発売された本の新板であり発売も2002年と「チェブラーシカ・プロジェクト」が発足した2006年以前に発売されたものでした。これで名称の統一がされていなかった訳です。(勝手に決めつけてますが個人の想像です。)

それではそんな「新版 チェブラーシュカとなかまたち」を御覧ください。


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2012年12月4日火曜日

「絶妙な道のり」 本当のサウンド・オブ・ミュージック

本日紹介するのは、「絶妙な道のり」です。この本は映画「サウンド・オブ・ミュージック」のマリア先生であり、原作「The Story of the Trapp Family Singers」の著者である、マリア・フォン・トラップ婦人の自伝です。
「The Story of the Trapp Family Singers」が彼女自身の自伝のようなものですが、それにはない、当時の彼女自身の思いや、妻として母親としての心情などが理解でき、原作をお読みになった方もまた原作を知らない映画「サウンド・オブ・ミュージック」のファンにも新しい発見となる読み応えのある内容になっていると思います。真実の「サウンド・オブ・ミュージック」をどうぞ。


こちらは映画公開後に発売された原作(菩提樹 改題)「サウンド・オブ・ミュージック」です。完訳版ではございませんが、映画でお馴染みの1部「オーストリア編」と亡命後の2部「アメリカ編」がお楽しみ頂けます。原作をお読みになっていない方はこちらもどうぞ。


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2012年11月25日日曜日

地上最初の草食人間誕生 戯曲「緑色のストッキング」安部公房

今日は、「砂の女」「他人の顔」など、国内よりも海外での評価の高いイメージがする作家、安部公房の戯曲「緑色のストッキング」です。
下着泥棒である男が、自殺をキッカケに、食料問題の解決の為に、草食人間を創りだそうとする医者(研究者)たちに父親を取り戻そうとする家族を巻き込んだお話。
この作品は第26回(昭和49年度)の読売文学賞戯曲賞を受賞しております。

そして当時、第6回紀伊国屋演劇公演が新宿の紀伊国屋ホールで上演されております。
出演者は以下の通り。

出演者

田中邦衛
宮崎謙治
佐藤正文
丸山善司
伊藤裕平
岩浅豊明
岡田英次
山口果林
条文子
大西加代子
大谷直
前年に立ち上げた「安部公房スタジオ」のメンバー多数出演されております。

美術・安部真知、照明・河野竜夫、舞監・早乙女初穂

それではこちら



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2012年11月22日木曜日

スターウォーズ劇場パンフ復刻ボックス

先日、ウォルト・ディズニーが40億ドルで「スターウォーズ」を手掛けた制作会社ルーカスフィルムを買収しましたが、お陰でエピソード6(正確にはエピソード3を最後に)で終了したスターウォーズが引き続き観れるのは非常に嬉しいです。
エピソード4を劇場で見たのは中学時代、あのオープニングを観たときは興奮しましたが、あれから30年以上経過し、あの頃程の興奮はありませんが、それでもおじさんなりに公開が待ち遠しい今日この頃です。しかもジョージ・ルーカスは4000万株の大株主となり、次回作ではクリエーティブコンサルタントになるということですので期待が持てます。 

今回の商品は2005年の「スター・ウォーズ エピソード3―シスの復讐」が公開時にシリーズ完結を記念して限定販売された劇場パンフ復刻ボックスです。このボックスとシスの復讐のパンフレットを買うことで、全シリーズのパンフレットをまとめて保存ができるという物。その中には「トリロジー特別篇」のパンフレットも含まれております。それではこちら。



映画だけではなく、小説、コミックなどに登場した兵器や宇宙船も紹介しているガイドブック(洋書)はこちら


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2012年11月18日日曜日

20才の微熱 郷ひろみシングル同名タイトルのエッセイ

今日、50年代の方には懐かしアイドル、郷ひろみのエッセイ「20才の微熱」です。 表紙カバーは篠山紀信の撮影です。なかなか男らしく撮れてます。本書巻頭カラーページにも胸を肌蹴た男性らしいカットが収められています。 この本が発売されたのは1976年(昭和51年)、その前の年1975年(昭和50年)にジャニーズ事務所からバーニングプロダクションに移籍しており、ジャニーズ時代の王子様イメージを払拭したい本人とバーニングの思惑があったのでは?

本書タイトルは同じ時期に発売されたシングル「20才の微熱」に合わせてつけられております。


その他、昭和アイドル本のご紹介。


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2012年11月14日水曜日

N.Y.MANHATTAN BLUE DAYS 高橋ひとみ写真集 印象的な「ふぞろいの林檎たち」の彼女

本日のご紹介は
N.Y.MANHATTAN BLUE DAYS 高橋ひとみ写真集 / 撮影 居坂和典です。
彼女をはじめての認識したのは「ふぞろいの林檎たち」です。第一話だったと思いますが、大学生の中井貴一扮する仲手川良雄が立ち寄った風俗店に勤める風俗嬢の役で、いきなり脱いだのがとても印象的でした。第一話でレギュラーの役者さんが脱いだりするのは結構忘れないですね。
これ以前にも中村雅俊主演の「俺たちの旅」の第一話で同じくレギュラーの金沢碧扮する大学のバスケ部のマネージャー洋子が着替えるところを偶然、同級生の田中健扮するオメダが遭遇する場面があり、いまだの彼女をテレビなどで観る度に思い出します。

高橋ひとみがテレビでトーク番組に出演していたときに初めて知ったのですが、もともと彼女は舞台出身で寺山修司の秘蔵っ子として可愛がられていたとのこと。そうか彼女は東北の出身なのか、道理で色白で地味な感じがするなぁと勝手なイメージを抱いていましたが、あとで調べたら東京出身でした。イメージは怖い。

この写真集「N.Y.MANHATTAN BLUE DAYS」は1992年の発売、「ふぞろいの林檎たち」からは10年ちかく後となりますので印象はかなり違いますが、それ以前の彼女の写真集は知りませんので、たぶんこれがファースト写真集ではないかと思います。(間違っていたらゴメンナサイ)




寺山修司の秘蔵っ子は何人いるのでしょうか?



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2012年11月7日水曜日

あばれはっちゃく / 山中恒 今のいじめっ子とは一味ちがうぞ

今日は児童文学作家、山中恒さんの「あばれはっちゃく」です。
個人的にはあまり読んだことのない作家さんですが、大林宣彦監督の「転校生」の原作者(おれがあいつであいつがおれで)ということで有名です。
この「あばれはっちゃく」1979年よりテレビシリーズが放映されていましたので、原作も同時期に書かれたのかと思っていましたが、以外に古く1970年6月~1972年3月まで読売少年少女新聞に掲載されていました。
テレビシリーズとしては79年からスタートし80年半ばまで続いた人気ドラマであったのは優等生的子供ドラマのケンちゃんシリーズから「あばれはっちゃく」の主人公、桜間長太郎のあばれんぼうだが憎めないキャラクターが新鮮だったのでは?

本書の「あばれはっちゃく」は桜間長太郎の小学校五年生から小学校六年生までの2年間をヒロイン宮本ヒトミちゃんへの淡い恋心を絡めながら進行していきます。ちょっと懐かしい気持ちに浸れる大人も楽しめる良書です。



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奥州路・七日の疾走―木枯し紋次郎 シリーズ初の長編

今日の「奥州路・七日の疾走―木枯し紋次郎」です。 「奥州路・七日の疾走」はいままでの短編小説ではなく、シリーズはじめての長編小説です。 しかしもともと、ロードムービー的なところがありますので、今回の内容も暴風雨に巻き込まれ船が難破、賭場も親分衆の住まいもない奥州路に流れ着いた紋次郎が一刀流の達人と30人の刺客に追われながら関八州の地を目指すという一つの大きなストーリーはありますが、従来のシリーズ同様、関八州に向うなか、様々な話が絡み合い連作小説のような流れで、通常のシリーズ同様違和感なく楽しめます。こちらの商品は初出の講談社版です。



こちらは「木枯し紋次郎」のような股旅小説の先駆けとなった街道シリーズ「地獄を嗤う日光路」、主人公は心臓病みの渡世人・小仏の新三郎。


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2012年11月5日月曜日

穴(1960年) / ジャック・ベッケル監督 脱獄劇の末路は 

今回紹介するのは書籍ではなくビデオ。昨日紹介しました「ル・ジタン」同様、ジョゼ・ジョヴァンニの原作をもとに映画化しました、ジャック・ベッケル監督の遺作となった「穴」です。

刑務所からの脱獄を計画する同じ獄房の4人の中に、第五の男ガスパル(マーク・ミシェル)がその獄房に入れられてくる。その第五の男が入ってきたことで無事脱獄することができるのだろうか」という話です。非常に緊迫感のある内容です

この原作は、「ル・ジタン」同様、著者ジョゼ・ジョヴァンニ自身の実話をもとに書かれております。脱獄まで経験しているとは驚きです。そのリアリティには原作だけではなく、中心となる俳優たちが映画が初めてという異色新人を起用したことも一役買っています。

DVDが以前発売されていたようですが、現在は高値がついているようです。

今回の商品はビデオ(VHS)となりますので、再生環境がございますようでしたら、是非ご検討願います。



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2012年11月4日日曜日

放浪の犯罪者の生きざま「ル・ジタン―犯罪者たち」

本日紹介するのはジョゼ・ジョヴァンニの小説「ル・ジタン」です。
この小説はアランドロン主演で映画化されております。

内容はジプシーの生まれの為に差別を受けてきた男、ル・ジタンの憤りと反逆の人生を描くフィルム・ノワール。著者が監督・脚本も手がけております。 実際、ジョゼ・ジョヴァンニ自身もギャングで投獄された経験もある異色の作家です。
そして今回の紹介の「ル・ジタン―犯罪者たち」ケイブンシャ文庫版ですが、なんと翻訳は柴田錬三郎、貴重な一冊です。



こちらは主演のアランドロン生誕75周年記念映画祭の公式Trailerです。ご堪能ください。

ご来店有難うございました。