2015年2月7日土曜日

消えてしまったマタギの存在を思い出させた昭和に起きた殺人事件に関する記事

現在では、存在していないであろうマタギ。

先日、古い雑誌(写楽81年4月号)を眺めていたところ、その年(昭和56年)の1月7日に朝日新聞の社会面に報道された記事の内容が載っていた。 「マタギが猟銃で殺人」……秋田県和田郡阿仁の猟師(当時67歳)が自宅前の林道造成の工事作業中である土建会社社長を狙い、誤って作業員を射殺というものだった。

そして、その犯人は当時、撮影中で翌年公開となった青銅プロの映画「マタギ」の製作に参加していた人物であったとされる。

しかし、熊をマタギが殺すシーンを撮影するために、飼われていた熊を山に運び、その熊をマタギに殺させてからは、「飼っている熊をマタギに殺させるとは何ごとか」と激怒し、撮影に協力することから手を引いてしまったとのこと。

(飼っていた熊を撮影のために射殺、この内容が本当であれば、昭和の時代だからころ出来たことで、今の時代であれば、大変な問題になっていただろうに、この記事の中にも「やむなく」と付け加えたのみで、まったく問題視していない。)

話が逸れたが、1981年当時でも、すでにマタギという存在自体が、特殊なものとして見なされ、山の文化が町の文化に吞み込まれていく過程で、消えていく運命であったことが、映画「マタギ」を製作されたことや、この殺人事件からも伺われます。

さて今回、紹介する1冊は、そのマタギを題材にした「黄色い牙」です。今では読み聞かせに力を入れている作家、志茂田景樹の代表作です。この作品も映画、事件とほぼ同時期にあたる1980年に直木賞を受賞しています。


ご購入をお待ちしております。ご来店有難うございました。

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